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2011年11月01日

初恋の来た道

神無月10月が終わり 霜月11のはじまり


ちょっと今日は忙しいんで 過去に書いた文の再録です

映画 「初恋の来た道」は 道具に宿る人のキモチを描いた映画

ぼくは そんな風に この映画を見ました


以下再録↓ 
 

   チャンイーモウ監督の映画

   初恋の来た道 は 

    初恋の様相を あざやかに描いた叙情映画

   そしてそれは   

    おりもの映画 であり やきもん映画 であり

    道具を描く映画 でもある
           
    ぼくにはそのように見える

   道具 とは 人が何かすることを助ける 器物

   工芸 とは 日常座辺に あるさまざまな器物 

   人が「くらすことを 助けてはたらく いろんな道具

      くるしみ多い この世を
      ともに旅する 暮らしの仲間
      使われてこそかがやく 暮らしの道具

初恋の来た道

  
 映画冒頭 現在のシーン 
 モノクロからはじまる

 都会から村に 帰ってきた青年
 青年の父が死んだ 寒村の教師だった人 
 その弔いのために もどってきた青年

 老いた母 
 長らく使っていなかった 
 機:はた を手入れし 糸整え
 亡夫の棺に架ける布を 織りはじめている


初恋の来た道


  ああ こんな風にして 逝った人を 送るんやぁ・・・
  
  母の思い出 回想シーン ここから カラーになる




少女だった 青年の 母

花のようである

少女のまずしい家 母親は盲目らしい

その母親が 糸を取り 機:はたを織ってる

長い手仕事の時間 労働と修練 盲目でも布を織る老母 


初恋の来た道 


      使われてる道具 
      カミさんの使ってるのとおんなし 
      手でつむぐ糸車 腰で張る地機:じばた


村の小学校 教師のいなかった小学校に

若い先生が やってくる


初恋の来た道


恋をする少女 

もどかしい ひたむきな 思い

ひどく傷んでいた小学校の建物 オトコたちみんなで修理する

その昼ごはん 各戸からの持ち寄り 鉢に入れ茶碗でフタをして届ける

慣わししきたり 建築の仕事場にオンナは近付けない 離れた卓に並ぶ鉢


 腕によりをかけて おいしい料理を 届ける少女
 その入れ物 少女の届ける昼ごはん 大ぶりの染付けの鉢
 
   若いその先生が
   自分の鉢 えらんでくれることを 
   ひたすらに祈る 隠れて見つめる

そんな娘の様子 娘の初恋 感じ取る母 
娘の話に 耳傾けながら 糸を紡ぐ老母


初恋の来た道

       
  人を恋う 一途さ けなげさ まっすぐさ 輝き
  はるかな寒村の まずしい家 小さな家に 輝き
  なんでもない日常の 器物と労働にやどる 輝き


初恋の来た道 


    糸 機 布=織物 つむぐ心 

    水を汲む井戸の釣瓶 出会う少女と先生
 

    先生の夕食 各戸 持ち回り 少女の家にも

    薪 かまど 鍋 包丁 俎板 煮炊きする 火

    それを盛る 器 それを囲む 夕餉の粗末な 食卓


    ヒト 使う 粗末な道具 に 

    願い 祈り 希望 かがやき シアワセ・・・

    そーいった いいもの そーいった おおきいもの が 宿っていく・・・


初恋の来た道


ひとときの別れがおとずれる 後を追い丘を走る少女
キノコ餃子を手渡そうとして その鉢を割ってしまう



   村に せともの修理屋 がやってくる
   天びん棒に荷をかつぎ せともののしゅーりー と呼ばわる
   少女の母が呼び入れる

 これなら・・・
 修理するより買ったほうが安いよ


   娘のためなのさ・・・
   その鉢を使った人が 娘の心を 持って行ってしまった
   せめてもの思い出に 器だけでも 残してやろうと・・・


 なるほどな・・・ 
 だったらしっかりと修理しておこう
 きれいな思い出になるようにな・・・


3つに割れた鉢を 独楽紐でしばり
ちいさな弓 弦を巻き付けたキリを 膝のうえで使う
ヤットコで鎹(かすがい)を整えて 鉢に打ち込んで行く・・・・


 割れた鉢 
 鎹でつがれて もとの形に
 まずしい家の 食器の棚におかれた 青い絵のある鉢


  日常の 
  ありふれた 道具
  労働のための 道具

  糸取り車 機 包丁 俎板 かまど 鉢・・・


初恋の来た道



器物はただの道具 なのに 
人はそこに いろんな 思い を 仮託する

ともにその道具を使った人との 思い出と記憶
そんなささいな記憶にこそ 人の生そのものが やどってる

労働 そのための道具 それらとともにある暮らし 
まずしく 自由が乏しいからこそ 一途に思いこめる 恋 


  初恋の来た道 
  おりもの映画 やきもん映画 道具の映画
  そんなふうに ぼくはこの映画を見ました



初恋の来た道

      春の野の 父と 母と 子ら


中島みゆきの「糸」 ・・・


      縦の糸はあなた 横の糸は私
      織りなす布は いつか誰かを
      暖めうるかもしれない

      縦の糸はあなた 横の糸は私
      織りなす布は いつか誰かの
      傷をかばうかもしれない

      縦の糸はあなた 横の糸は私
      逢うべき糸に 出逢えることを
      人は 仕合わせと呼びます


初恋の来た道


まずしく 自由とぼしいからこそ 一途に思いこめる 恋 


われわれが得た 豊かさと自由 
どのようにも生きて行けそうな 豊かさ 
どのように生きてもいいと思える 自由 
そのゆえに 選び取ること ができなくなる


   縦の糸 
   横の糸
   なかなかに 
   出会うこと 
   むずかしい

初恋の来た道



えーと あさって木曜日 11月3日から 月曜7日まで

     森のe-クラフト展 ですー

東近江のいろんな工芸 物づくりが集まってのグループ展

うちの横の 愛郷の森の 森の家 にて 10じ~17じ

まあ 恒例の地元展 もう12回目くらいかなぁ

お問い合わせは お気軽に 

0748-27-1955 中根までどーぞ♪

初恋の来た道
初恋の来た道 
チャン ツィー かいらし~♪



ほんに 今日もまた読んでもろて おーきにぃ♪
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Posted by ハプー at 08:40│Comments(0)
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